4月30日、Web3ゲーム『キャリア乙女サバイバー(以下、キャリサバ)』にて、初のジェネシスキャラクターが販売された。
販売開始は同日22時――しかし、若干のトラブルがあったにもかかわらず、およそ30分で完売という結果となった。

若干トラブルはあったものの、完売

販売当日、16時に配信されたver1.0.3アップデートにて、スキル周りの挙動不具合が発生。これにより、スキル調整後の実装検証ができない状態に。特に覚醒スキルの検証ができず、購入を検討していたユーザーの中には「何にするか決められない」と悩む声も見られた。

それでも販売は予定通り22時に開始され、約30分で完売

購入を控える空気も一部にはあったにもかかわらず、なぜこの結果が生まれたのか。

完売の要因は“EARN目的ではない”応援層の存在(仮説)

今回の完売は、いわゆる「投資・稼ぎ目的」の購買ではなく、純粋にゲームを応援したいというユーザーによる“支援的購入”の側面が強いと考えられる。

というのも、現時点でキャリサバにはEARN要素が実装されていない。さらに、ジェネシス保有による特典も明言されておらず、運営も「何かしら還元したい気持ちはあるが、何もないかもしれない」と事前に発信していた。加えて、今回販売されたジェネシスは1体5万円という価格であったにも関わらず、限定12体が完売に至った。


これは、単に価格や投資性だけで動く“投機層”ではなく、別の価値観で動くユーザーが一定数存在することを示唆している。以下のような仮説が成り立つのではないだろうか。

1. 純粋にゲームや世界観のファンである

キャラクターやストーリーに惹かれ、「推し」を応援したいという気持ちで購入に踏み切った層。グッズ感覚や“限定品”としてコレクションする価値を見出した可能性。

2. 開発チームや運営を信頼している

X(旧Twitter)やDiscordなどでの開発・運営の透明な姿勢や熱量を見て「このチームなら良いゲームを作ってくれる」と感じ、先行投資的な気持ちで購入した層。

3. “初期に関わる”こと自体に価値を感じている

黎明期のWeb3プロジェクトに関わることに意義を感じる、ある種の“開拓者精神”を持つ層。必ずしも大きな利益を求めるわけではなく、「自分が育てた感」のある体験を重視する傾向。

4. “資産”ではなく“推しアイテム”として見ている

“資産”や“転売用商品”ではなく、個人的な愛着のある“推しアイテム”として見る視点。こうした感覚は、Web2の課金文化と親和性が高く、今後のWeb3ユーザー像の一端を示している可能性がある。

今後のジェネシスキャラは“宝くじ限定”入手に

今回販売された12体のジェネシスキャラクターは、今後の入手手段を含めて非常に高い希少性を持つことが運営から明言されている。

まず、今回の12体については数量を増やしての再販は行わないとのこと。
つまり、同じキャラのジェネシスを再度購入できる機会はない

さらに、13体目以降のジェネシスキャラは、シーズン制の“宝くじイベント”の特等報酬としてのみ入手可能になる予定だ。
プレイヤーはゲーム内で「宝くじ券」を集め、それを用いて抽選に参加する――という形式であり、基本的に運次第の入手方法となる。

そのため、今後ジェネシスを狙う場合は、

という、限られた選択肢しか存在しない
この設計によって、ジェネシスキャラ自体の希少性は高く保たれる構造となっている。

今後の展開に寄せられる期待

とはいえ、この初期ジェネシスの価値が本当に高まるかどうかは、運営が今後どこまで“軌道に乗れるか”にかかっている

注目すべき期待要素は、次の2点だ。

中国進出による新たなユーザー層の拡大

2025年5月2日には、中国圏向けのAMAが予定されている。
Web3において中国市場は依然として大きなポテンシャルを持つ領域。ここでの露出・支持獲得が実現すれば、キャリサバのグローバル展開は一気に加速するかもしれない。

本格始動はこれから。ランキング・育成・ミキサー等の新要素も控える

キャリサバは現在、まだ早期アクセス版
スキル不具合の修正はもちろん、今後はミキサーシステム、キャリアアップシステム、ユーザー間競争を生むランキング要素などが順次実装予定とされている。

今回完売した12体のジェネシスキャラクターが、「初期から応援していた証」あるいは「後のレア価値」となるかは、これからの展開次第だ。

まとめ:稼ぎ目的を超えた“推しゲー文化”がWeb3にも芽生えるか

今回の完売劇は、単なるNFTの売買を超えて、Web3ゲームにおける新たなユーザー行動の兆しを感じさせた。

「ゲームが好きで、応援の気持ちで購入した」
「推しキャラをどうしても手に入れたかった」
「ゲームの可能性を信じて、先行投資的に参加した」

そんなWeb2的な価値観とWeb3の技術基盤が交差する、キャリサバというプロジェクトのこれからに注目が集まる。